ストーリーズ #007

ミュージシャン×農業

横山峻さん

地域:山形県南陽市ほかタイプ:土日メインの主業

飯豊町出身の二人組バンド「Four o’clocks」。2020年8月には1stフルアルバム「菫は咲く」を発売し、各サブスクリプションサービスでも全国配信。東京と山形で離れて暮らしながら楽曲を作り続ける今のスタイルについて、ギター・ベースの横山さんはこうおっしゃいます。

「相方は東京にいて、僕だけ山形に帰ってきたんですが、音楽活動を辞めようとは全く思わなかったです。離れていてもできるだろうと。むしろ離れた方が仲良くなって(笑)、今が一番良く作れていると思います。

20歳のころから東京で飲食店員として働きながらバンド活動をしていた横山さんは、30歳で山形へUターン。現在は南陽市の農園で働きながら、Four o’clocksとしての活動とハンドパン奏者としてソロの音楽活動も行っています。Uターンのきっかけは何だったのでしょうか。

「20歳から東京でバンド活動をしていたのですが、去年(2020年)やっとフルアルバムを出せたくらいでなかなか上手くいっていなくて。家賃の更新も迫ってきて冷蔵庫も壊れて、なんかもう辛いなと…。相方はサラリーマンをしながら音楽活動をしているので、元々週末バンドなんです。

山形へ戻ってきた横山さんも、平日は農園で働き、それ以外の時間を音楽活動に充てています。これまでのバンド活動に加えて、新たに横山さんの音楽表現の手段となったのが「ハンドパン」です。


ハンドパンは、丸みを付けた金属板を2枚貼り合わせた楽器で、膝の上に抱えて両手で叩くことで演奏します。幻想的な浮遊感ある音色と、叩き方によってあらゆる表現ができる自由さが特長の楽器です。

横山さんはひょんなことからハンドパンに出会い、その魅力に取りつかれたようです。

「バンドのレコーディング終わりに暇だったので、浅草の楽器屋に行きまして。そこに置いてあったのですが、自分にガチっとはまったんです。『あ、これ俺のだ』って(笑)。音が良かったのと、バンドだったら複数人いないとできないところを、リズム・メロディー・ハーモニーすべて一人で出来るんですよ。なんというか、自己療養のような。自分の感情を出せるんです。」

独学でハンドパンの演奏を始めた横山さんは、南陽市の熊野大社境内にあるicho caféなどでライブを開催。すると、たまたま通りかかったのが赤湯温泉「山形座 瀧波」の社長さんでした。

「たまたま社長が目にとめてくださって、『今から来い』と。まったく状況が分からないまま付いていって、旅館のスタッフみなさんの前で演奏しました。そこで『じゃあ、明日から来て』と話が進み、それから瀧波さんでも定期的に演奏させてもらっています。

「ネットで演奏動画を配信したり、テレビにも出させてもらったのですが、『ハンドパンを体験したい』ってメールをくれた方がいらっしゃったんです。それで、たまにicho caféの場所を借りてハンドパンを教える活動もしています。興味を持ってくれる方っているものですね。もっと人が増えたら、ワークショップとか開けるかなと考えています。


高校でバンドを始めてから、音楽スタイルや生活拠点の変化など紆余曲折を経験しつつ、これまで音楽活動を続けてこられた横山さん。音楽活動は横山さんにとってどういう存在なのでしょうか。

「うーん、そこにすがっているような感じですかね。離れていると、うずうずしちゃうんですよ。ライブ前なんかは、『緊張するから嫌だな』とか思うんですけど、そういう活動をしていないと、『俺、何やってるんだ』って。だから、充実感や生きてる感覚を得るために、音楽をやっているんです。

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音楽活動を軸に据えているからこそ、固定収入を得るための仕事はその時々で柔軟に組み合わせているといいます。

農家さんに行ったり、今シーズンの冬だと遠藤鮮魚店でバイトさせてもらったり。カッチリと会社に勤めてしまうと音楽活動ができなくなってしまうので、時間の柔軟さは仕事を選ぶときに考えていますね。かなり甘えさせてもらっているんです。」


2021年度からは「エフエムい~じゃん おらんだラジオ」のパーソナリティとしてもデビューした横山さん。ラジオでの自己紹介「驕らず比べず面白がって」のとおり、後ろを振り返ったりせず、未来を見たりもせず、「今、どっちに行ったら楽しいか」にフォーカスしていらっしゃるように感じました。

「そうですね。たまに後ろ振り返って沈んだりはしますが(笑)、何年後こうするって決めていることはないですね。あとは、朝起きて天気良かったら「はい、ラッキー!」とか言うようにしてます。できるだけ元気でいるということが、一番ですね。

(文:色摩ゆかり)

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