コラム #019
副業人材活用企業インタビュー「株式会社四釜製作所」様
株式会社四釜製作所は、山形県長井市に本社を構える製造業の企業です。
四釜製作所はPARASUKUにてITに精通した副業人材を募集。そして採用に成功しました。
求人記事はこちら(https://parasuku.jp/search_job_view.php?job_id=12)
今回は、副業人材を募集しようとした経緯や、実際の業務内容、感想等を専務の四釜英則さんにお聞きし、レポートとしてまとめました。
Q. 今回PARASUKUにて副業人材を募集し、実際に現在働いていただいていますが、そもそもどういう経緯で副業人材をPARASUKUで募集したのでしょうか?
「少子化の影響等で、数年前から求人で苦労するようになりました。募集時の給料を上げるだけでは改善しないこともあり、様々な施策をやっていかなければいけないと考えていました。そんな時、PARASUKUさんから副業という新しい働き方に関する求人募集のお話をいただき、うちもそういう方向でやってみようかなと考えたのがきっかけです。」
Q. 今回、ITに特化した副業人材を募集されたと思いますが、どういった理由でIT人材を募集したのでしょうか?
「弊社には沢山の従業員がいますが、製造業ですので専門的なことを主な業務としている方がほとんどです。ですので、専門的かつITにも精通した方というのはなかなか厳しいわけです。ただ、IT人材と言っても必要となるケースはそんなに多くはないんですね。週に数回お知恵をお借りしたいといった感じです。ですので、副業として関わっていただく方が良いと考え、募集をかけさせていたただきました。」
Q. 今回採用された副業人材の方には、どのような業務を行っていただいていますか?
「例えば、Facebookにて今までとは別の切り口で求人募集やPRをしていただきました。今までの我々の知恵だけでは難しかったことをやってもらっています。現に1人、Facebookから中途採用が決まり、今年(2022年)の8月から弊社に来られる予定です。」
Q. 採用の業務以外にもやってもらっていることはありますか?
「今後は、在庫をエクセルで整理する作業を頼みたいと考えています。あとは、ITの知識で賄えるものについては、都度アドバイスをいただいています。例えば、ホームページの充実です。集客ができてもホームページがきちんとしてないと、採用や営業には繋がりにくいですよね。そんな時、製造業に詳しくない方の目線でアドバイスをいただけるのは大変ありがたいですね。製造業に日頃から身を置いていると、当然だと思って使っている専門用語に気づきにくいんです。新しい風による新しい目線がとても役に立っています。」
(四釜製作所ホームページより)
Q. どれくらいの頻度で副業の方は働かれていますか?
「基本的には月契約でお願いしていますので、頻度というより、チャットワークで連絡をとりつつ、都度必要な時にお手伝いしていただいています。チャットワークでのやりとりで解決できるものであればそれで完結してしまって、直接的な話や作業が必要な際は、何時にどこどこでやりましょうかと調整しながらやっています。」
Q. ちなみに、今回はどのような委託契約を結ばれたのでしょうか?
「月々幾らという業務委託契約を結び、1年更新としています。」
Q. 実際に副業人材を採用して良かったことはありますか?
「ITに強い方が1人いらっしゃるというのは、会社として非常に心強いです。社内の問題を解決する際に、IT知識が必要なケースは必ずあります。そういった場合、相談できる人間がいるからと、一旦(外注に出すことを)待てるのはありがたいですね。経営の仕事に時間をさける割合も多くなった感じがします。」
Q. 以前はそれらの業務を全て1人でやられていたのでしょうか?
「そうですね。ちょっと調べるだけなら私もできますが、どうしても忙しい時はあります。ですので、都度お答えいただけるのは、私にとってはありがたいです。私も一般的なことはできますが、実際そんなにITには詳しくありません。ちょっと専門性が高くなると全然わからなくなるんですね。そんな時にお知恵をお借りできるのは大変助かります。」
Q. 実際に採用された後で、副業人材に対するイメージは変わりましたか?
「そうですね。何でもかんでも正社員を絡めなきゃいけないわけではないと気づいたのは発見だったかもしれません。今後、同じような課題にぶつかった時に、その業界の専門家に高い報酬を支払ってやっていただくというより、費用対効果を顧みながら、企業側と副業者でよりWin-Winとなる形を構築できるかもしれないと思いました。」
Q. 逆に副業だからこそ、かゆいところに手が届かないといったことがあれば教えていただけますか?
「やはり、どうしても前任者や他の社員と比べてしまうのはあると思います。ですが、こちらもそんなに要求はしていません。ITに精通した方というのが条件でしたし、働いていただかないとわからない部分は実際あります。それに、関係性が近くなればなるほど支払う金額も高くなるので、その分、責任や費用対効果に関してもよりシビアになると思います。そこはやはりお互いの関係性次第だと思いますね。」
Q. 企業側から副業に対するリスクとして考えていることがあれば教えて欲しいです。
「まずは情報漏洩があると思います。これはしっかり契約すれば対策はできると思います。あと、うちは全社的に副業をOKにしていますが、法律的なところで残業代をどっちの会社がもつのかという問題は根強くあると思います。フリーの方が副業されるのは良いと思いますね。ただ、サラリーマンとなると、労働基準法の適応範囲内で問題が生じているというのが現状だと思います。ですので、もう一歩踏み込んで、違うルールや選択肢を作ってあげないと、サラリーマンの副業は広がっていかないと感じています。」
Q. 最後に、副業人材を実際に採用してみて感じたことを教えてください。
「どこの企業も事業規模をキープしたいと考えていると思います。そうなってくると、社会情勢を踏まえて、採用の面で矛盾が生じてくると思います。それを解決する手段として外国人労働者を活用しようとしていますが、それ一択では到底無理だと思います。ですので、PARASUKUさんが掲げている副業人材など、いろんな方法が必要になってくると思っています。ただ、製造業は専門性が高い業種になります。ですので、副業人材に現場で働いてもらうのは少々難しいかなと考えています。副業にも向いている業務と向いてない業務があると思います。そこら辺をしっかり吟味しつつ、副業人材をうまく経済の中で回して行くことが、人材不足の解決策としては大事かなと思いましたね。」
(文:升屋豊久)