コラム #031

働き方ハウツー特集
2023年8月24日

中小企業がIT化を推進するには?IT化の必要性や具体的な取り組み方をご紹介!

近年、業務の効率化に向け、IT化を推進する企業が増えています。以下のようなお悩みを抱えている中小企業のみなさんは、IT化を進めることで改善できるかもしれません。

・人手が足りず、今までのやり方に限界を感じている。
・手書きや手入力の作業に多くの時間を費やしている。
・管理すべきことが煩雑化してしまっている。
・紙の使用が多く、無駄になっていると感じる。

ただ、IT化の進め方がイメージできなかったり、ITスキルをもった人材が社内にいないと、「コストをかけてまでIT化を進めなくても…」「まだ今のやり方で大丈夫だろう」と、二の足を踏んでしまうこともあると思います。

この記事では、IT化の概要やメリットを解説し、中小企業がIT化を進めるためのポイントをご紹介します。IT化に興味はあるけど、何から手を付けたら良いか分からないという方は、ぜひご覧ください。


1. なぜ IT化が必要とされているのか?

そもそもIT化とは、ITツールを活用し、アナログで行っていた業務をデジタルに置き換えていくことを言います。

▼ IT化の具体例
・口頭や紙で行っていた電話の取次ぎや伝言に、チャットツールを導入する。
・バラバラに管理していた受発注・請求・支払情報などを、システムを使って一元管理する。
・紙で印刷していた資料をデータで共有する。
・プロジェクトの進捗状況をオンラインツールで可視化する。 など

ひとくちメモ
IT化と近しい意味の言葉として、「デジタル化」と「DX」があります。デジタル化とは、紙文書や音声、画像などのアナログ情報をデジタル形式に変換し管理することで、IT化を進める過程の1つです。DXは、デジタル技術を活用し、組織の経営体制やビジネスモデルを変革する過程のことを指します。

では、なぜ今IT化が必要になっているのでしょうか。大きく3つの理由を挙げます。

(1)労働力不足

現代の日本では、生産年齢人口の減少が大きな課題となっています。特に地方では、都市部への人口流出も相まって、さらに人材を確保しにくくなっている中、これまでと同じやり方では業務が回らなくなってしまっても不思議ではありません。限られた人数で労働力を補える仕組みづくりが待ったなしとなっていることから、手作業で行っていた業務をデジタル化し業務を効率化していくことが必須になってきているのです。


生産年齢人口は1995年から減少し続けており、2040年には6,000万人を割る推計となっています。
(出典:内閣府「令和4年版高齢社会白書」

(2)市場や働き方の変化

情報通信技術の発展により、オンラインコミュニケーションが一般的になった昨今。ビジネスチャンスが拡大する一方、IT化を進めなければ、規模が広がった市場競争に取り残されてしまうことになります。
また、売り手市場の現在は、働きやすい職場環境づくりが、企業の採用活動において重要性を増しています。オンラインでは不可能な業務も当然ありますが、IT化を進めテレワークを可能とすることで、人材獲得のチャンスが広がったり、社員の満足度や生産性の向上も期待できます。

(3)消費者の価値観やニーズの多様化

消費者の価値観やニーズは日々変化し、これまでの経験則では対応できないほど複雑化しています。顧客や売上情報をデジタル化して蓄積しておくことで、管理や分析がしやすくなり、意思決定の判断材料や事業成長の足掛かりとしていくことができます逆に言えば、ITツールやデータを上手く活用できる企業とできない企業の差が、どんどん広がっていくことになります。競争力を維持・拡大するためにも、IT化は必須の取り組みになっています。

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2. IT化を進めるためのステップ

IT化の必要性を概観したところで、実際にIT化を進めるステップを整理していきましょう。

STEP1:現状の把握

まずは現状を把握し、業務を改善していくために解決すべき課題を洗い出します。

▼ 現状把握の例
・定型的な業務で、多くの時間をかけている業務はないか。
・手書きで作成している書類がある場合、本当に手書きの方が効率的か。
・管理すべきことが煩雑化し、必要な情報を探しにくくなっていないか。
・メンバー間で業務の共有や可視化ができているか。
・紙での印刷・資料の準備に時間を割かれていないか。
・手計算によるミスが発生していないか。 など


STEP2:IT化する目的・目標の明確化

次に、IT化そのものが目的となってしまわないよう、IT化を推進する目的や、IT化に取り組むことで達成したい目標を明確にします。

▼ 課題に対する目標設定の例

課題:見積書や請求書の発行といった定型業務に時間を大きく割かれている。
目的:定型業務にかかる時間を短縮することにより、本来時間をかけるべき業務に集中できるようにする。

課題:多くの情報を紙で管理していたりバラバラに管理していることによって、必要な情報を探しにくくなっている。
目的:システムで一元管理することにより、必要な情報にすぐアクセスでき、共有や引き継ぎしやすい状態に改善する。

課題:口頭での情報共有が多く、抜け漏れが発生したり情報の可視化ができていない。
目的:プロジェクト管理ツールを導入することにより、関係者に漏れなく情報を共有し、進捗状況を可視化する。

STEP3:IT化の推進に向けた社内の意識づくり

IT化を進めるためには、全社的な協力が不可欠です。アナログな文化や価値観の定着により、IT化に抵抗感を抱く方がいる場合は、社内の意識を変えることから取り組まなければなりません。例えば、組織の意思決定に携わる経営陣へ同意を得たり、現場の社員へIT化の目的や目標を示したりすることで、段階を踏んで進めましょう。

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STEP4:人材の確保・育成

実際にIT化を進めていくには、以下のような人材が必要になります。

・ITシステムの導入や運用、セキュリティ等に関する知識を持ち、社内の他のスタッフを指導できる人材
・社内のIT化をリードする存在として、計画の立案や進行管理、社内外との調整などプロジェクトマネジメントができる人材
・データを蓄積する仕組みを導入または構築し、データを分析・活用できる人材

こうした人材を確保するためには、一般的に以下の2つの方法をとることになります。

社内で人材を採用・育成する

社内で人材を育成したり、ITスキルをもった人材を新たに採用する方法は、社内にスキルを蓄積することができるという大きなメリットがあります。しかし、時間とコストがかかるというデメリットもあります。

外部の専門機関や業者に依頼する

ITベンダーや、IT化を支援する公的支援機関などを活用する方法もあります。専門的な視点で提案してもらうことができるため、自社に必要な取り組みを効率的に始めることができます。しかし、あくまで外部の存在であるため、社内の事情を完全に理解してもらうことが難しかったり、IT化のノウハウを社内に蓄積していくことができないというデメリットがあります。

これら2つの方法は、いずれもかかるコストが大きく、中小企業がすぐに実践するにはハードルが高い方法です。そこで、より低コストでIT化をリードする人材を採用する方法として、「パラレルワーカーを採用する方法」をご紹介します。

3. パラレルワーカーはIT化の救世主となり得るか?

パラレルワーカーとは、複数の仕事を掛け持ちしているワーカーのことです。ITの知識を持ったワーカーに、たとえば週に数日副業としてジョインしてもらうことで、社内にIT化を進める原動力が生まれます。

パラレルワーカーだからこそのメリット
・正社員を新たに育成・雇用するよりハードルが低い。
・完全な外注と異なり、半分自社に属するポジションになるため、社内の事情を把握しながら、外からの視点でアドバイスしてもらうことができる。
・他の社員への教育も業務内容に含めることで、社内にノウハウを蓄積することも可能。

ここで、実際に副業者を採用することでIT化を推進した企業をご紹介します。山形県長井市に本社を構える株式会社四釜製作所様は、週に数回、必要な時にIT人材の知恵を借りたいと考え、副業者を募集しました。結果、フリーランスエンジニアの採用に成功し、WebやITツールに関わる業務をサポートしてもらっています

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(株式会社四釜製作所 四釜専務へのインタビューより)

ITに強い方が1人いらっしゃるのは、会社として非常に心強いです。社内の問題を解決する際に、IT知識が必要なケースは必ずあります。そういった場合、相談できる人間がいるからと、一旦(外注に出すことを)待てるのはありがたいですね。経営の仕事に時間をさける割合も多くなった感じがします。」

「今後、同じような課題にぶつかった時に、その業界の専門家に高い報酬を支払ってやっていただくというより、費用対効果を顧みながら、企業側と副業者でよりWin-Winとなる形を構築できるかもしれないと思いました。」

コラム#019 「副業人材活用企業インタビュー「株式会社四釜製作所」様」
記事全文はこちらから

4. まとめ

労働力不足が進む中、時代の変化に対応し、限られた人数で生産性を向上させていく必要性が増しています。生産性の向上に向けて、まずは身近な業務からIT化を実践してみませんか?
PARASUKUでは、ITスキルをもった副業人材を募集することが可能です。会社の想いや雰囲気を伝える募集記事の作成はもちろん、上記の「STEP1:現状の把握」から伴走いたしますので、IT化に関して何から始めたら良いか分からないという企業様も、お気軽にお問い合わせください。

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