主業 ワイン用ブドウ栽培・ワイン醸造のしごと
農業製造業
仕事の紹介
山形県上山市では2015年に「かみのやまワインの郷プロジェクト」を発足。ワインの生産・消費の拡大はもとより、ワイナリーやブドウ農家への新規参入支援などに地域を上げて取り組んでいます。
新興のワイナリーも続々と登場し、日本ワインの産地として全国からますます注目を集めるこの地で、“かみのやまワイン”ブランドを牽引しているワイナリーの一つが、ウッディファーム&ワイナリーです。
ワインの醸造以外にも、果樹栽培も手がけるウッディファーム&ワイナリー。ブドウに加え、ラ・フランスやさくらんぼなどを栽培し、ドライフルーツやジャムといった加工品の販売も行っています。
そんなウッディファーム&ワイナリーでは、今後の事業拡大に伴い、5月から11月にかけての繁忙期間、または長期で働いてくださるスタッフを募集しています。
まずはウッディファーム&ワイナリーが手がけるワイン作りについて、代表取締役の木村義廣さんと、ワイン事業ゼネラルマネージャーの金原勇人さんにお話を伺いました。
(代表取締役 木村義廣さん)
(ワイン事業ゼネラルマネージャー 金原勇人さん)
木村さん「ウッディファーム&ワイナリーの設立は2013年ですが、実はそれ以前は契約農家としてワイン用ブドウの栽培を行っていました。昭和40年代に国内の大手ワイナリーと契約し、ワイン専用品種カベルネ・ソーヴィニョンの栽培に着手しました。」
当時、国内外のさまざまなワイナリーを熱心に視察し、本物のワインの作り手になるには、農業から手をかける必要があると確信した木村さん。日本葡萄愛好会で一緒に活動し、親交を深めた近隣のタケダワイナリーの前社長・武田重信さんの「ワイン作りはいいぶどうから」という考えにも影響を受けたと言います。
そして木村さんは「自分たちの作ったブドウでワインを作りたい」という夢を抱き始めます。
しかし、当時は実績のない企業がワインの醸造免許を取得することは難しく、木村さんはワイナリーを設立したいという夢を持ち続けながらも、ブドウやさくらんぼ、ラ・フランスなどの果物栽培を生業の中心にしていました。
やがて2000年代に入ると規制が緩和され、小規模ワイナリーでも醸造免許の認可が下りやすくなり、新しいワイナリーが次々と誕生します。
ウッディファーム&ワイナリーも、ようやくワイナリーの設立を計画。2013年に醸造免許を取得し、ワイン作りを始動しました。
現在は9haの畑で、赤のカベルネ、白のアルバリーニョとプティ・マンサンの3品種をメ インに、9種類のワイン専用品種のブドウを栽培。設立以来一貫してドメーヌスタイル(※1)のワイナリーにこだわり抜き、自社の畑で育てたブドウのみを原料にしたワイン作りを行っています。
※1 ドメーヌはフランスのブルゴーニュ地方の言葉で、自分でブドウの栽培から醸造、熟成、瓶詰めまでを行う生産者のことを指す
原料のブドウで、品質の8割が決まるとも言われるワイン作り。
例えば契約農家からブドウを購入し原料にする場合、契約農家ではワイナリーから「この日に収穫してほしい」というオーダーがあれば、熟度に関わらず一律に収穫をしなければなりません。
一方、自社畑であれば自分たちで収穫のタイミングを見極められるため、ブドウの品質を担保できると金原さんは指摘します。
金原さん「例え同じ品種のブドウを、同じ場所で同じ仕立て方をして育てたとしても、木によって微妙に熟度に差が出てしまうもの。自社畑であれば、熟度の高いものから収穫をしたり、熟度の異なるブドウごとに収穫し分けて醸造したりなど、細かな対応が可能です。現場のスタッフは皆、木になっている状態から“どういった醸造をすればこのブドウを存分に活かしきれるか”と常に考えて作業にあたっていますね。」
買いブドウと自社栽培のブドウを併用するワイナリーも多くある中、原料となるブドウの全量を自社畑で生産するのはウッディファーム&ワイナリーならではの特長と言えます。
また醸造においても、ウッディファーム&ワイナリーらしさは徹底されています。
木村さん「当社のワインは無補糖(※2)・無補酸(※3)、無濾過で醸造するという取り決めを設けています。補糖も補酸も昔から存在する醸造上の技術ではあるものの、ブドウ本来の味を加工するような処理はある意味で私たちが標榜する“農業としてのワイン作り”を否定してしまうこととも言えるため、設立時から無添加でのワイン作りにこだわっています。」
※2 ワインの原料となるブドウ果汁に発酵前または発酵中に糖を加えること。アルコール度または糖度を高めるために行われる
※3 ワインの発酵前(または発酵中、発酵後)に酒石酸などの酸を加える作業。ブドウの酸が少ないと味わいのバランスが悪くなること、また腐造リスクが高まることから、それらを防ぐ目的で行われる
金原さん「近年は複数品種のブドウを用いたブレンドワインに力を入れ、より品質を高めることができています。これはプティ・マンサンやアルバリーニョ、カベルネ・ソーヴィニヨンなど、十分な糖度がありポテンシャルの高いブドウを栽培しているからこそ実現できること。農作物である以上、毎年ブドウの出来には振れ幅があります。無補糖・無補酸の取り組みを継続し続けるのは決して簡単なことではないですが、そうした努力が少しずつ実を結び、多くのお客様に評価していただけているという手ごたえも感じています。」
木村さんと金原さんのお話から、国内でも数少ないドメーヌワイナリーとしての誇り、そして“自分たちだからこそ表現できるワインを作る”ことへの並々ならぬ熱意がうかがえます。
ドメーヌワイナリーと果樹園、二つの顔を併せ持つウッディファーム&ワイナリーですが、今後はさらに新たな展開も見据えています。
それは“宿泊できるワイナリー”への挑戦です。これまでヨーロッパやアメリカなど、諸外国のワイナリーをいくつも視察してきた木村さん。中でもアメリカのワシントン州やオレゴン州には宿泊可能なワイナリーがいくつもあり、地域のワインとその土地の文化を同時に味わえる自由なスタイルに感銘を受けたと言います。
木村さん「現在、当社のワイナリーの傍に独立した宿泊施設を建設中で、2023年4月より営業を開始する予定で整備を進めています。宿泊される皆さんがゆっくりと醸造家の話を聞いたり、ブドウ栽培や醸造の作業を体験できたり、ワインの世界を存分に楽しめる場を提供できたらいいですね。昨年、2年ぶりの開催で盛り上がりを見せた『山形ワインバル』が、2023年7月にも開催予定なので、その際にもぜひ “泊まれるワイナリー”を活用いただきたいです。」
そんな事業拡大に伴い、ウッディファーム&ワイナリーでは現在、主に果樹栽培やワインの醸造などの作業に携わっていただける方を募集しています。
金原さん「私たちの仕事は、ブドウを作って終わりではありません。商品(ワイン)として消費者の方々に選んでもらい、再び購入したいと思ってもらう、さらに来年はどんなワインが発売されるのだろう、という期待感を醸成するところまで繋がっていきます。私たちは作業を単なる作業として捉えずに、その作業が何に繋がり、最終的な製品が生活者の皆さんにどのような価値を提供できるのか、日々、想像力を働かせて仕事に取り組んでいます。そんな広い視野を持てる人であればきっとやりがいを感じていただけると思いますし、例え未経験者の方であっても歓迎したいですね。」
原料となるブドウの栽培から始まり、収穫、醸造、出荷まで、ワインの製造工程すべてに関わることができるのは、ウッディファーム&ワイナリーならではの仕事の醍醐味。
「農業としてのワイン作り」をストイックに貫く、ウッディファーム&ワイナリーのビジョンに共鳴してくださる方、例え未経験でも農業やワイン作りに情熱を注いでみたい方からのご応募をお待ちしています。
(文:久保圭)
しごとコンパス
しごとパラメーター
雇用形態 | 正社員(雇用期間の定めなし/試用期間なし) |
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勤務時間 | 8:00~17:00(休憩90分)/日曜日・お盆・正月休み、1~2月は週休2日、3〜12月は月6休/時間外労働の月平均10時間 |
勤務地住所 | 〒999-3212 山形県上山市原口829 |
希望スキル | 丈夫で健康な事 |
報酬 | 月額19万円~/昇給あり/賞与年2回 |
社会保険 | 健康・厚生年金・労災・雇用 |
手当 | 早朝手当、残業手当、休日手当 |
応募条件 | 丈夫で健康な事 |
その他 | <選考フロー> エントリー後、原則5営業日以内に連絡します。 →履歴書持参、担当者と面談 →採用決定 <受動喫煙防止措置> 敷地内すべて禁煙 |