コラム #014

働き方ハウツー
2022年3月18日

UIJターン就職ってどうなの?地方で働くメリット・デメリットを解説!

現在都会で働いている方で、将来的には地方で働きたいと考えている方がいらっしゃるかもしれません。
また、都会での今のライフスタイルに満足できず、より自分らしいワークスタイル求めて地方暮らしに憧れる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、地方の仕事はどのように探せばいいのか、働くうえで都会に比べてどのようなデメリットがあるのかなど、不安もあると思います。

この記事では、そんな方に向けて、UIJターンについて簡単に解説した上で、地方で就職するメリットやデメリットを解説します。UIJターンの事例や地方で仕事を探す方法もご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

UIJターンとは?

現在都会で暮らしている方が地方に移住するルートとしては、下記の3種類があります。

● Uターン
Uターンとは、地方で生まれ育った人が、進学や就職などを機に都市部へ移住したのち、また生まれ育った地元に戻ることを指します。

Uターンの理由としては、都会である程度キャリアを積んだが、地元にもっと貢献したいと考えるケース、都会の忙しなさに疲弊し、地元のゆったりした環境で暮らしたいと考えるケース、子どもが生まれたことを機に、実家の近くで子育てしたい豊かな自然環境の中で子育てしたいと考えるケースなどが多いようです。

● Iターン
Iターンとは、都市部で生まれ育った人が地方に移住することを指します。
都市部で働くことに満足できなかったり、新しい生活環境や自身の成長を求めて、地方への移住を検討する例もあるそうです。

● Jターン
Jターンとは、地方で生まれ育った人が、進学や就職などを機に都市部へ移住したのち、自分の出身地に近い地方都市へ移住することを指します。
実家に近い方が良いと考えたり、地方のゆとりある暮らしを望む一方、地元では利便性に欠けるという場合に、地元に近い地方都市へ移住するケースが考えられます。

地方で働くメリット

ここからは、地方で就職をする具体的なメリットをご紹介していきます。

1.生活コストを下げられる可能性がある

地方は地価や物価が安い傾向にあるので、家賃や食費を抑えられる可能性があります。
固定費を節約できれば、それだけ将来にまわせるお金が増えるので、都市部より安定した生活を送れるかもしれません。

国土交通省の資料では、可処分所得から基礎支出(食費+家賃+光熱費)を引いた「経済的豊かさ」で、山形県は意外にも第4位となっています。豊かさの指標はひとりひとり異なると思いますが、一般的な経済的ゆとりは、もしかすると地方暮らしの方が確保しやすいのかもしれません。
出典:都道府県別の経済的豊かさ(国土交通省)

2.子育てなどのワークライフバランスが取りやすい傾向にある

都市部に比べて、地方は仕事場に近いところに住める場合が多く、通勤時間が短く済むうえに、満員の公共交通機関に乗る必要もありません。最近はテレワークも増えていますが、通勤する必要がある方は、地方のほうが通勤のストレスから解放され、私生活の時間を増やすことにも繋がるでしょう。

また、待機児童が少ないため保育園に入りやすかったり、子育てに力を入れている自治体だと補助金がもらえたりする場合もあります。

時間や人口にゆとりのある地方なら、自身の生活環境をコントロールでき、仕事と生活において充実したワークライフバランスを描ける可能性があります。

3.自分を必要としてくれる場所が多い傾向にある

地方は都市部に比べて、自分のスキルを思う存分発揮できるかもしれません。

たとえば、地方では情報通信に精通した人材が都市部よりも少ないため、重宝される機会が多くあります。情報通信系以外でも、高齢化が進み人口不足が深刻な中、若者の労働力や様々なスキル人材を必要としている地方企業は多いです。
仕事においては、周りからどれだけ必要とされているかがやる気の原動力になる場合も多いので、地方なら仕事に対してより充実感をもって取り組める可能性があります。


4.地方自治体のサポートを受けられる可能性がある

自治体によっては、移住者に対して様々な支援を行っています。
たとえば、PARASUKU事業部がある山形県長井市や、お隣の白鷹町と飯豊町では以下のような支援があります。

● 長井市の支援例(一部)
・長井市定住促進補助金…子育て世帯向けに、土地および住宅の購入を支援
・長井市起業・創業支援事業補助金…市内の空き店舗を活用した起業に対して整備費等を一部支給
「長井市移住・定住サイトごんざい」はこちら

● 白鷹町の支援例(一部)
・白鷹町若者移住定住支援交付金…対象世帯に対し交付金を進呈
・移住者に1年分の米・味噌・醤油を支給
「しらたかで暮らそう公式サイト」はこちら

● 飯豊町の支援例(一部)
・住宅取得奨励…住宅を新築または購入した方に奨励金を贈呈(Uターン、Iターンなどによって追加加算)
・Uターン者およびIターン者奨励…対象世帯に商品券を贈呈
「おいでいいで飯豊町|山形県飯豊町移住ポータルサイト」はこちら

ぜひ、移住希望の自治体のホームページを訪れて、どんな支援があるか確認してみましょう。

地方で働くデメリット


一方、地方で働くデメリットもありますのでご紹介します。

1.都会暮らしでは必要なかったコストが発生する可能性がある

地方の生活では、たとえば車の維持費、光熱費など、都会では掛からなかった、または安価で済んでいた費用が高騰するケースがあります。
結果として都会の生活よりお金がかかってしまうものもあるので、地方に移住する際は住む前にその土地の情報を得ておきましょう。その際も、上記のような移住支援があるかどうか確認しておくのが得策です。

2.希望する職種や待遇に見合う仕事がない可能性も

地方は都市部と産業比率が違うので、たとえば都市部に多い情報通信業などは少ない傾向にありますし、給与も低い傾向にあります。
生活コストを都市部より下げられる可能性がある一方で、職種のミスマッチや待遇の面から、逆に思うような生活が実現できなくなってしまう場合もあると思います。
このあと紹介する地方での仕事の探し方も参考にしていただき、ぜひ移住する前にしっかり情報収集をしておきましょう。

UIJターン就職の事例

地方で働くメリット・デメリットを紹介してきましたが、実際にUIJターンをしてきた方はどのような暮らしを実現しているのでしょうか。事例を2つご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.大垣敬寛さんのケース

まず、Iターンの例として大垣敬寛さんをご紹介します。
横浜市出身の大垣さんですが、大学を卒業するころ山形の知人に誘われて来てみたところ、居心地が良くてそのまま移住
現在は株式会社ニューメディア(NCV)でSEとして週3日勤務する傍ら、株式会社山のむこうの代表として学習塾とカフェを経営しています。
山形でつながった縁から仕事の可能性も広がり、パラレルワーカーになった大垣さん。
地方にIターンし、自分にとって心地よいワークライフバランスを実現した例と言えるでしょう。

詳しく知りたい場合は大垣さんのストーリーズをチェック!

2.半田和巳さんのケース

次に、Uターンの例として半田和巳さんをご紹介します。
半田さんは、山形市にある総合制作プロダクション「株式会社デジコンキューブ」の営業職として勤務しながら、副業的に音楽関係の仕事も行っています。
Uターンを機に地元での人間関係が充実し、フェスを開催したり音楽活動を行ったりと、好きなことを自然に楽しめるようになったそうです。それは、主業である営業職の仕事にも良い影響を与えていると言います。

詳しく知りたい場合は半田さんのストーリーズをチェック!

UIJターン就職をする方法

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1.地域おこし協力隊

地域おこし協力隊とは、地方に体験的に移住して給料をもらいながら地域貢献活動を行い、本格的な移住を目指す制度のこと。任期はおおむね1年から3年です。
3大都市圏をはじめとする都市地域等に住民票がある方のみ応募できるなどの条件はありますが、体験的に移住してみて、地方で人脈を広げたり情報を収集して将来に向けた準備をすることができるため、移住の足掛かりとしておすすめの制度です。

PARASUKUでも地域おこし協力隊の求人情報を掲載していますので、ぜひご覧ください。
・長井市のコミュニティセンター活性化のしごと
・長井で人と人との縁をつなぐ関係案内人のしごと

(このほかにも続々公開予定!)

2.ハローワーク

全国各地に拠点があるハローワークを直接訪問し、地方の仕事を見つける方法があります。
ハローワークでは、下記のようなサービスを無料で利用できます。

・求人の検索
・職業相談
・紹介状の発行
・セミナーの受講

行政が持つネットワークやサービスを無料で活用でき、低コストで求人を探せるので、最初に取るべき方法としておすすめです。
ハローワークインターネットサービスはこちら

3.支援センター

地方移住に関する支援センターを利用するという方法もあります。例えば、NPO法人ふるさと回帰支援センターでは、地方暮らしやUIJターンの方をサポートするために、東京・大阪を除く45道府県の自治体と連携して地域の情報を提供しています。このような支援センターが開催するセミナーなどに参加して、地方の情報を集めるのも良いでしょう。
認定NPO法人ふるさと回帰支援センター公式サイトはこちら

4.転職エージェント

人材紹介サービス(転職エージェント)を活用する方法もあります。
ハローワークなどよりコストがかかる可能性はありますが、転職エージェントが持つ情報を活用したり相談に乗ってもらうことで、より納得した就業ができる可能性があります。

5.リファラル採用

移住したい地域に知人がいる場合は、仕事を紹介してもらうことも可能でしょう。
知人を通して、仕事の内容や環境などを詳しくヒアリングできることから、納得度の高いマッチングが実現しやすい傾向にあると思います。

6.地域密着型の求人サイト

地方には、地域密着型の求人サイトがあります。
全国規模のサイトに比べて地元情報に精通している場合が多いため、より詳しい情報が手に入る可能性があります。
また、全国規模の求人サイトには掲載されていない、ニッチで面白い仕事が見つかる可能性もあります。

弊サイト「PARASUKU」では、山形県に特化した主業及び副業の求人情報を、事業者の想いも踏まえてご紹介しています。
働き方やキャリアに関する相談窓口も開設しておりますので、ぜひお気軽にご活用ください。
PARASUKU相談窓口の詳細はこちら

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まとめ

UIJターンについて解説した上で、地方で就職するメリット・デメリット、仕事を探す方法までご紹介してきました。
地方で就職する際、注意しなければいけない点こそありますが、メリットを活かせばより自分らしいライフスタイルを送れる可能性もあります。
この記事を参考に、地方で働くことの理解が深まったのなら幸いです。
地方で就業予定の方は、地域おこし協力隊制度や地域に特化した求人サイトも選択肢としてぜひご活用ください。
(文:升屋豊久)