コラム #026

働き方ハウツー
2022年11月4日

キャリアオーナーシップとは?従業員の主体的なキャリア形成を促す方法をご紹介!

少子高齢化や経済状況の変化から、これまで主流だった終身雇用制度や年功序列が衰退しつつあると言われています。このような状況の中、企業として、どのように優秀な人材の確保や育成をしていく必要があるでしょうか?

近年、採用活動や人材育成に取り組む時のヒントとして「キャリアオーナーシップ」が注目されています。キャリアオーナーシップとは、1人1人が自らのキャリアに関して主体的に考え、納得のいくキャリアを構築していくために行動することです。

この記事では、キャリアオーナーシップとは何か解説した上で、企業が従業員のキャリアオーナーシップを推進するメリットをご紹介します。キャリアオーナーシップを推進する具体的な方法も合わせてご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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⒈キャリアオーナーシップが注目されるようになった背景

これまでは、正社員として採用した従業員を定年まで雇用し続ける終身雇用制度が主流でした。しかし、人生100年時代の訪れや産業構造の変化など様々な要因から、求められる働き方が変わり始めています。厚生労働省職業安定局によりますと、入社してから同一企業に勤め続ける人の割合は、年々減少傾向にあることが分かっています。
〈参照〉我が国の構造問題・雇用慣行等について(厚生労働省職業安定局)

また、総務省統計局によりますと、2019年の転職者数は過去最多である351万人を記録し、転職率が上昇しています。
〈参照〉増加傾向が続く転職者の状況~2019 年の転職者数は過去最多〜(総務省統計局)

転職の理由は様々考えられますが、人生100年時代と言われる現代において、長く活躍していくためのスキル獲得、自身に合ったライフスタイルの模索、将来を見据えた収入源の確保など、ワーカーが求める働き方は時代とともに変化していくでしょう。

これからの企業と個人は、個々の強みやスキルを活かし、共にキャリアを形成していく関係性となる必要があります。そのために、今後の雇用のあり方を見直し、社内にて、将来を見据えた主体的なキャリア形成を推進していかなければなりません。このような背景から、「キャリアオーナーシップ」という考え方が注目されるようになりました。

⒉キャリアオーナーシップを推進することのメリット

キャリアオーナーシップを推進することで、企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか?この項では、主体的にキャリアを構築しているパラレルワーカーの声を交えながら、キャリアオーナーシップを推進することのメリットを4つご紹介します。

⑴生産性の向上

キャリアオーナーシップを推進することで、自ら考えて行動する人材の育成につながります。主体的に行動する人材は、能力を伸ばしやすい傾向にあります。そのため、将来的に成果を出しやすい人材になり、社内の生産性向上につながります。また、個々の強みやスキル、専門性を活かし、適材適所に人材配置をすることで、企業の発展が期待できます。

ストーリーズ#006 半田和巳さん 会社員(営業職)×レコーディングスタジオ業・シンガーソングライター

「無茶ぶりのような依頼がきても、すぐに『あいつとあいつに連絡して、このチームでやるか』と動けるようになっていって、デジコンキューブ(会社)でもやっとそれが出来るようになってきたと感じます。」

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⑵エンゲージメントの向上

キャリアオーナーシップの推進をするためには、上司や人事部の協力が必要となります。上司や人事部が主体となり、研修や面談などを実施することで、社内のコミュニケーションが活発になります。この結果、従業員の組織に対する愛着が深まることにつながります。

ストーリーズ#021 大井洋平さん 会社員(人事)×コーチ

「新しい人事評価制度を導入する際に、幹部がコミュニケーションスキルを学ぶはじめの一歩として、コーチングの制度導入を提案しました。自分自身がコーチングを受けたときに感じた『誰かに背中を押してもらう感覚』をまずは体感してもらい、それを足がかりに部下との1on1を実施してもらいました。」

「何度か繰り返していくと、自分が話しすぎていた、相手の言葉を待てるようになった、相手が考えているということがわかった、など気付きが起こり、みんなが『とてもよかった』と言ってくれました。コミュニケーション不足が解決するだけで解消する問題は、実は多いんです。」

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⑶離職率の低下

従業員が自らのキャリアを考えることで、将来のビジョンが明確になります。将来のビジョンが明確になった従業員は、仕事における自身の役割を意識したり、仕事にやりがいを感じたりすることができるようになります。従業員が自身のキャリアを考えることができる環境にあるため、現在の職場で主体的に働くことにつながります。

⑷モチベーションの維持

従業員が将来のビジョンを持ち、仕事に取り組んだり、主体的な行動により評価されたりすることで、仕事に当事者意識を持つようになります。当事者意識を持つことで、仕事に対するモチベーションの維持が期待できます。

ストーリーズ#001 井上瑞穂さん ラジオパーソナリティ×事務×MC

「MCの仕事って時々なので、定期的にマイクに向かうことができるラジオの仕事というのは、すごくありがたいですね。マイクに乗せて話すのは、普通にしゃべるときと発声も内容も言葉も違うじゃないですか。ラジオのおかげで、アナウンス力も表現力も上がったのではないかと思います。」

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⒊キャリアオーナーシップを推進するために必要な取り組みとは?

この項では、キャリアオーナーシップを推進するために必要な取り組みをご紹介します。

⑴従業員に対するキャリア開発支援

キャリアオーナーシップを推進するために、従業員が自身のキャリアと向き合う機会を提供することが必要です。例えば、キャリア研修やジョブ型雇用、副業の解禁などが挙げられます。ジョブ型雇用では、成果やスキルによって任せる業務や評価が決まるため、主体的に行動する人材の増加が期待できます。また、副業を解禁することで、得た知識や経験を活かし、本業で成果を上げることが期待できます。従業員が納得のいくキャリアを構築するためにも、多様なキャリアの選択肢を設けることが大切です。


⑵モチベーションを維持する仕組みづくり

納得のいくキャリアを構築するためには、従業員のモチベーションを高く維持できる仕組みが必要です。例えば、1on1ミーティングや管理職を対象とした研修などが挙げられます。1on1ミーティングを通して、業務やキャリアに関する課題を自身で解決できるよう支援することで、従業員の成長につながります。また、管理職を対象に研修を行うことで、部下の育成方法を身に付けたり、自身の実力を高めたりすることができます。そのため、若手従業員の目指すビジョンがより質の高いものになり、モチベーションの維持が期待できます。

⑶定年後の生活を見据えた支援の整備

終身雇用制度が衰退しつつある今、中高年の従業員にも、定年後の生活を見据えた働き方が求められています。そのため、企業として、中高年の従業員に対する支援の整備も必要です。例えば、早期退職者に対し、退職金を上積みしたり、退職者と業務委託契約を結んだりすることなどが挙げられます。また、希望者には、再就職支援会社を介し、定年退職後を見据えた転職活動の支援をすることも大切です。

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以上、キャリアオーナーシップを推進するために必要な取り組みをご紹介しました。PARASUKUでは、主業だけではなく、副業として参画可能な求人を多数掲載しております。また、働き方やキャリアに関するご相談、求職者の紹介や仲介にも取り組んでおります。キャリアオーナーシップを検討している事業者は、ぜひお気軽にご相談ください。

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⒋将来を見据えたキャリア形成に関する取り組みを

終身雇用制度や年功序列が衰退しつつある中、採用活動や人材育成の見直しが求められています。従業員自身が主体的に今後のキャリアを考え、構築していくための後押しとして、企業の取り組みが重要になります。組織と個人が、共により良いキャリアを形成していく関係性となるよう、キャリアオーナーシップを推進してみませんか?
(文:柴崎桃香)