コラム #007

働き方ハウツー
2022年1月28日

パラレルワークとは?メリットや注意点、始め方まで解説!

今の仕事にプラスして、新しいスキルや人脈、収入源を得たいと考えたことはありませんか?
昨今「パラレルワーク」と呼ばれる、ひとつの仕事や職場にとらわれない働き方が、徐々に注目を集めています。当メディアPARASUKUもまた、「パラレルワーカーが地域を救う」のコンセプトのとおり、この新しい働き方に焦点を当てています。

パラレルワークを始めることで、新しい人間関係や働く意義を再発見できたり、今まで以上に人生が豊かになることがある――。PARASUKUは、人生100年時代の働きがいと、私たちの地元・山形の活性化を考えたときに生まれた、地元創生プロジェクトです。

この記事では、そもそもパラレルワークとは何か?ということを改めて整理した上で、そのメリットや注意点、始め方まで解説します。ぜひご活用ください。

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パラレルワークとは?

パラレルワークとは、複数の仕事(活動)を同時にかけ持つワークスタイルのことです。「ワーク」というと収入を目的とした仕事をイメージするかもしれませんが、営利を目的としないボランティアや社会貢献活動、研究・創作活動、主婦(夫)業など、個人の主体的な目的のもと行う様々な活動を含めて考えます

一社で定年まで働くというこれまでの枠に留まらず、一人一人が自分自身に合った働き方を選択するということが、パラレルワークの本質といえるでしょう。

パラレルワークと副業/複業の違いは?

「パラレルワーク」に似た言葉として「副業」「複業」があげられます。これらの言葉は、一般的に以下のような意味合いで使われることが多いようです。

他メディアや一般的な考え方

● 副業…本業とは別にサブの仕事を持つこと。かけ持つ仕事において、メインとサブという関係がはっきりしている。主に収入増を目的とする。
● 複業…本業を複数持つこと。サブの仕事という認識はなく、すべてがメインの仕事と考える。主にスキルアップや働きがいを目的とする。
● パラレルワーク「複業」とほぼ同義と考える。

一方、PARASUKUでは次のように考えています。

PARASUKUの考え方

どれも複数の仕事をかけ持つという点では同じであり、PARASUKUではそれぞれの言葉を明確に区別しているわけではありません。「複業」に近いパラレルワークもあれば、「副業」に近いパラレルワークもあり、その人に合った働き方を組み立てていくことが大切だと考えています。ただし、副業型であっても収入だけを目的と考えるのではなく、パラレルワークの大きなメリットである、スキルや人脈の獲得、充実感の向上といった目的に重きを置いています

山形のパラレルワーカーに聞いた!パラレルワークのメリット

では、パラレルワークのメリットにはどんなことがあるのでしょうか? PARASUKUではこれまで、パラレルワークの実践事例「ストーリーズ」の取材を通して、個性豊かなパラレルワーカーのみなさんの声を伺ってきました。そのリアルな声をもとに、メリットを6つまとめてみました。

メリット1 収入源の仕事とは別に好きな活動ができるため満足感を得やすい

これまでの取材で圧倒的に多かったのがこの意見。収入を担保しながら好きなことに取り組むことができると、一本勝負よりもチャレンジしやすい、それぞれの仕事のモチベーションがアップするといった、精神的な満足度向上につながるようです。

ストーリーズ#009 清水智昭さん 副住職×会社員×ライブホール運営

「もし、僕がこの地蔵寺ホールを始めないで、他の誰かがやったと話を聞いたら、うらやましくて悔いが残っただろうなと思います。『この地蔵寺ホールで次は何をしよう』と考えるとワクワクするから、それをするための資金を稼ごうと製造の仕事もモチベーションが上がるんです。ホールを始める前と今を比べたら、幸福度は10倍ですよ。」(記事全文はこちら)


メリット2 新しいスキルが身に付き、他方の仕事に活きることも

パラレルワークなら、異なる職種や業種で同時にキャリアを積んでいけるため、ひとつの仕事だけでは得られないスキルを得ることができます。また、パラレルワークだからこそ、スキルの相乗効果が生まれるという意見も多くありました。社員として働きながら起業すると経営的な視点も得られる、副業でスキルを積んだことで本業の幅も広がる、など。単体のスキルではなく、スキルとスキルのかけ合わせが、その人にしかない強み(オリジナリティ)になっていくのです。

ストーリーズ#010 中井茉由子さん コーチ×講師×メンター

「3つとも人材開発や対人支援という意味では変わらないのですが、それぞれ特化していることが違います。もっと自分がやりたいことにフォーカスするために、別の扉を開いていった感じです。本業AがあるからBにも繋がるし、Cのスキルアップにもなるというふうに、それぞれ関係しているんです。」(記事全文はこちら)


メリット3 新しい人間関係や居場所ができる

新しい人脈やコミュニティも、パラレルワークで得られる大きな対価です。人との繋がりによって新しい仕事へ結びつくこともあれば、心の拠り所となってくれることもあるでしょう。

ストーリーズ#006 半田和巳さん (株)デジコンキューブ営業職×レコーディングスタジオ業・シンガーソングライター

「山形にUターンしてきたとき、昔の友達と集まって芋煮会をしていたんですよ、オールナイトで。それが面白くてフェスを始めたんです。そしたらいろんな変わった人が集まってきて、『こういうのでも良いんだな』『好きにやって良いんだな』と思いましたね。それが仕事にも生きているのかな。無茶ぶりのような依頼がきても、すぐに『あいつとあいつに連絡して、このチームでやるか』と動けるようになっていって、デジコンキューブでもやっとそれが出来るようになってきたと感じます。」(記事全文はこちら)


メリット4 地域との関わりや貢献できるきっかけが増える

仕事や活動が複数あるということはつまり、自身が貢献できる場が複数あるということ。リモートワークや週末副業なら、都市部に住みながら地元に貢献するといったことも可能になります。また、収入を得る仕事ではなく、地域活動がパラレルワークの一部になっている方もいらっしゃいました。

ストーリーズ#014 相田隆行さん 公務員×地域活動家

「今、みんなで『公務員って面白いよ』っていうのを伝えられるように努力しています。(中略)私を見て、公務員をやりつつ地域活動ができたり、こういった暮らしができるというのを、1つの生き方としてイメージしてもらえるようになればいいなと思います。」(記事全文はこちら)


メリット5 産後や育休後、仕事復帰の足掛かりに

妊娠・出産を機に、仕事を辞めたり産休・育休をとる方は多いかと思います。子どもとの時間も大切にしたいし、自身のキャリアも諦めたくないといった場合、バランスをどう取れば良いのか?育児に集中していると、閉鎖的な気持ちになってしまう…など、お悩みを抱える方も少なくないでしょう。そうしたとき、柔軟に仕事を組み合わせて、自分に合ったワークスタイルを形作っていくパラレルワークの考え方が、ひとつのヒントになるはずです。お子さんの成長やご家庭の事情に合わせて、社会との関わりを少しずつ自分なりにデザインしていきましょう。

ストーリーズ#001 井上瑞穂さん ラジオパーソナリティ×事務×MC

「休めるときは休む、子ども優先に。それで司会の仕事もできたらなと思って、少し件数を減らしたんですね。そうすると、それだけの収入では少ないので、子供たちが学校に行っている月~金はしっかり働きたいなと思っていたんです。だから、フルタイマーとして働けるのはありがたくて。」(記事全文はこちら)


メリット6 収入アップにつながる

副業でも稼ぐことができるようになれば、収入アップにつながります。また、好きなことを継続するためにも、生活基盤となる本業を確保しておくという考え方もありました。収入源を複数持っておくことは、ひとつの仕事ができなくなってしまったときのリスクヘッジにもなります。

ストーリーズ#004 高橋幸士さん 果樹農家×プロスノーボーダー

「スノーボードがしたくて山形に来たんですが、夏の間はずっと果樹のバイトをしていました。市場のバイトをしたり、農家のバイトをしたり、『さくらんぼ』というものを徐々に知っていって、自分でもやってみようかと。」(記事全文はこちら)


パラレルワークの注意点

たくさんのメリットがあるパラレルワーク。とはいえ、複数の仕事を抱える分、専業より注意しなければならない点もあります。

注意点1 時間のコントロールが難しい

パラレルワークは、専業よりオーバーワークになりがちです。特に、自営や業務委託の個人事業主、フリーランスなどは、自身で時間と業務量をマネジメントしていく必要があります。自分が何のためにパラレルワークをするのか?という目的を改めて意識した上で、仕事を無暗に受けるのではなく、選び取ることも時には大切です。選び取ることができるのは、収入源を複数持つパラレルワークだからこそのメリットでもあります。

ストーリーズ#006 半田和巳さん (株)デジコンキューブ営業職×レコーディングスタジオ業・シンガーソングライター

「半田技研(レコーディングスタジオ業とシンガーソングライター)は好きでやっているのですが、どの仕事も受けてしまうと本当に気持ちがきつくなってきてしまって…。自分が本当に面白いな、参加したいなと思ったプロジェクトか、あるいはギャラが良い仕事(笑)でないと受けない方が良いことに気づきました。」

「フェスも同じで、無理しないようにしています。イベントの規模拡大を図るばかりに、お金や運営の面で自分たちの首を絞めてしまうことはよくあります。そんなにお金をかけなくても良いから、自分たちが本当に遊べる祭りをしたい。(記事全文はこちら)

注意点2 業務契約上のトラブルが発生することも

キャパオーバーになると、必要な業務を遂行できなかったり体調を崩してしまう可能性があります。特に、自分のキャパシティをまだ把握しきれていない頃は、短時間の副業から始める、いきなり収入を得ようとするのではなく楽しんで行える範囲で活動するなど、小さなステップからスタートしてみましょう。
業務契約を結ぶ場合は、自分にとって無理のない業務時間・頻度・対価等の条件を都度見直しながら、契約先とフラットに話し合うことが大切です。

また、複数の企業やプロジェクトに関わるようになると、機密情報の取り扱いにはより一層の注意が必要になってきます。誤って情報を漏らしてしまう、競合関係にある企業間で複業したことでトラブルになるといったことは防ぎたいものです。顧客情報やアカウント情報が分かる端末・文書の取り扱い、セキュリティ対策にも十分に気を配りましょう。


注意点3 ある程度の収入を得た場合、確定申告が必要

年末調整を受けていない所得が20万円を超えた場合、確定申告をする必要があります。また、医療費控除やふるさと納税などの適用を受ける場合は、20万円以下の所得についても確定申告が必要です。(引用:国税庁)
会社員の方の場合、確定申告をしたことがないという方も多いと思います。慣れない作業に思った以上に労力がかかってしまうこともありますので、前もって情報収集しておきましょう。詳しくは国税庁のWebページ等をご確認ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei/kakutei/fukugyo.htm

パラレルワークの始め方

パラレルワークを始めてみようかなと思ったあなたに、PARASUKU流パラレルワークの始め方をお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。

STEP1 自分がやってみたいことを考える

【ヒント】PARASUKUの「コンパス」を使って仕事観を整理してみましょう。

いきなりやってみたいことと言われても…という方は、PARASUKUの「コンパス」を使ってキーワードを書き出してみましょう。「コンパス」とは、求人マッチングの指針となる9つの要素を自分なりに整理できる、PARASUKUオリジナルのフォーマットです。


理由:あなたが働く理由や意味は?
理想:あなたが理想とする将来像は?
仕事:あなたがやってみたいことは?
相手:あなたが喜んでもらいたい相手は?
環境:あなたが無理なく働ける環境や求める暮らしは?
経歴:あなたの経歴(業種・職種・経験・特徴)は?
時間:あなたが理想とする時間の使い方は?
対価:あなたが仕事を通して得たいものは?

いきなり完璧に作ろうと思わなくてOKです。今の自分が書けそうなところから、自身の仕事観につながるキーワードを棚卸ししてみましょう。
※PARASUKUにワーカー登録(無料)していただくと、マイページ上でコンパスの作成が可能です(登録はこちらから)

STEP2 時間・場所的な条件を考える

すでに決まった本業がある方は特に、自由に使える時間や場所の条件をもとに、自分に合ったワークスタイルをイメージしてみましょう。

【例】
● 平日週5日フルタイマーとして勤務しているから、副業できるのは終業後か土日。日曜日は休みにしたいから、土曜日だけリモートで別の仕事をしよう。
● 子どもを保育園に預けている平日の日中に、地域団体やNPO法人のメンバーとして活動しよう。
● やりたい仕事が2つあるから、それぞれ週2~3日ずつの稼働にしよう。

STEP3 仕事を探す

自身のやりたいことや条件面が何となくでもイメージできたら、実際に仕事を探してみましょう。副業や複業に焦点を当てたマッチングサービスは数多くあります。サービスによって職種やスキルレベルを限定していたり、求人の傾向やマッチング形式に違いがありますので、自分に合ったサービスを探してみましょう。PARASUKU以外の主なサービスとして、以下のようなものがあります。

【クラウドソーシング】
Lancers(ランサーズ):クラウドソーシングサイト二大巨頭のひとつ。
Crowd Works(クラウドワークス):クラウドソーシングサイト二大巨頭のひとつ。

【リモート副業】
CODEAL(コデアル):IT職種メインで、フルリモート可な求人も多い。
シューマツワーカー:IT・デザイン系の職種メインで、フルリモート求人がほとんど。

【スキル販売】
coconala(ココナラ)
Web・イラスト・動画制作から、お悩み相談まで。自分のスキルや時間を販売できる。

PARASUKUでは、山形県内企業の副業求人/主業求人を掲載中です。その特徴は、生活基盤にできるような主業求人と、主業求人よりライトに参画可能な副業求人(業務委託など)を同時に探せること。そして、今までの求人サイトには掲載されていないような、ニッチな仕事やクリエイティブな仕事も掘り起こしています。

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