「芸能の道」に進むか、「美容の道」に進むか——。

高校時代、「やりたいこと」が2つあり、進路に頭を悩ませたMICHICAさん。熟考の末、ダンススクールの芸能コースに進み、ダンスボーカルユニットでアイドルデビュー。「美容の道」は、このときいったん諦めたのです。

しかし、数年後に転機が訪れました。2020年、コロナ禍で再び自分の将来と真剣に向き合った結果、自身の年齢などさまざまな理由からアイドル卒業を決意。選択肢の一つとして、芸能から離れ、一般人として美容の仕事に就くことも考えたといいます。

「でも、結果として、芸能から離れることはできませんでした。芸能は私の生きがいなので。ただ、やっぱり美容も好きで、その道を諦めきれていないこともわかったのです。私のモットーは、『好きなことで生きていく』。じゃあ、どうしようか、とさらに考えました。」

「そして、気づいたんです。『好きなこと』が2つあるなら、それを1つに絞らなくてもいい。芸能と美容、両方やるのが自分なんだ、と。」

覚悟を決めたMICHICAさんは、2021年1月に「山形フリータレント」としてソロ活動を開始しました。

テレビやラジオ、YouTubeなど、さまざまな舞台で活躍していますが、そのすべてに共通して「山形」への思いがあります。

「生まれ育った山形の地が大好きで、アイドル時代から『山形の魅力を全国の人に知ってもらいたい』という思いで活動していました。それは、フリータレントに転身してからも変わらない軸となっています。」

「なんで山形が好きかと聞かれると、うまく答えられないんですが……。言葉の訛りも空気感も、全部自分の肌になじんでいて、県外に出たいと思うことはこれまで一度もなかったです。以前、東京に行ったときは、なぜかニキビができちゃいましたし（笑）。」

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一方で、「美容の道」も歩み始めました。タレント活動を続けながら、chiropractic（カイロプラクティック）と美容カイロエステティックの技術を習得。2021年7月、完全予約制の美容カイロエステサロン「Luriri（ルリリ）」をオープンしたのです。

「Luriri（ルリリ）」では、MICHICAさん自らが美容カイロプラクターとして美容カイロエステの施術を行います。

美容カイロエステとは、chiropractic（カイロプラクティック）とエステティックを融合した技術のことをいいます。chiropractic（カイロプラクティック）は、背骨と骨盤の歪みを徒手によって矯正し、身体の不調を根本から改善する治療法です。

なぜ、美容のなかでも美容カイロエステを選んだのでしょうか——？

「自分自身が受ける側として効果を実感したからです。もともと体育会系のガッシリ体型で……。ほかのエステでは、数十万円かけても十分な効果が得られませんでした。そんな私が、美容カイロエステに出会って、健康的に最高8kgも痩せることができたんです。」

「アイドルとして活躍するために、健康管理やダイエットに人一倍励んできたからこそ、その経験が今、美容カイロプラクターとしてお客様にアドバイスするのにものすごく役立っています。」

忙しい日は、サロンで施術後、ラジオの収録とYouTubeの打合せをこなし、夕方再び施術に入ることも。基本、「休みはない」そうです。

「休日って何をすればいいかわからなくて、逆に具合が悪くなっちゃうんです（笑）。だから、特定の仕事がない日も、SNSやライブ動画の配信をしたり、施術の練習や勉強をしたり、何かしら活動していますね。こうして自由に予定が組める今の働き方は、自分の性格にとても合っていると思います。」

MICHICAさんが目指しているのは、山形フリータレントとして山形の魅力を、美容カイロプラクターとして美容カイロエステの効果をより多くの人に伝えること。また、双方の仕事をとおして、「人々の心と身体を元気にすること」だといいます。

さらに、やりたいことは増え続けているようで——。

「美容の仕事を始めてから、生活習慣、とくに食生活の大切さを痛感し、『ダイエット中でも安心して外食できる場所』を経営したいと考えるようになりました。お客様がサロン帰りに気軽に立ち寄れるような、ヘルシーメニューを提供する飲食店です。ただ、私、料理が苦手で……（笑）。誰か、料理が得意な方、一緒にやりませんか？」

これまでも、持ち前の判断力と行動力を発揮し、自分らしい生き方・働き方を構築してきたMICHICAさん。新たな夢を叶える日も、そう遠くはないはずです。

そんなMICHICAさんから、最後にメッセージをいただきました。

「高校時代、本当に勉強が嫌いで、成績も下から数えて一番というくらい。それでも、『好きなこと』を仕事にするための勉強は苦になりませんでした。やる気さえあれば、できるんです！ だから、みなさんにも自分の生きがいと思えるような仕事や、自分らしい生き方・働き方を見つけてほしいと思います。」

（文：馬島利花、撮影：佐藤俊介）