主業
地域の芸術文化資源の掘り起こしと発信のしごと

複合サービス事業

仕事の紹介

地方に移住して芸術文化に関わる仕事に携わりたい、決められた範囲だけというよりも自分のクリエイティビティを存分に発揮できる仕事がしたい、今回ご紹介する仕事はそんな人にぴったりの内容です。

今回の求人は、山形県長井市の地域おこし協力隊として、地域の芸術文化資源を掘り起こし発信する仕事です。長井市役所観光文化交流課の海藤元さんと、元地域おこし協力隊の工藤裕太さんにお話を伺いました。


▶左:長井市観光文化交流課 海藤元さん、右:元地域おこし協力隊 工藤裕太さん

長井市は、山形県南部の置賜地域に位置する人口約2万6000人のまち。東京駅からは、東北新幹線の「赤湯」駅からローカル線のフラワー長井線に乗り継ぎ、片道3時間ほど。


▶最上川舟運の港町としての歴史と文化が受け継がれた風景が、平成30年「最上川流域における長井の町場景観」として国の重要文化的景観に認定された。


▶長井市のコンセプトは「水と緑と花のまち」。まちなかには生活や生業に利用されてきた水路や歴史的な建造物が数多く残っている。地下水を活用した飲料水は、超軟水でおいしいと評判。

最上川舟運により、江戸期から上方文化が入り芸術文化を大切にする土壌が育まれてきた長井市。とくに年齢層が高めの世代には「芸術のまち長井」という意識が根付いており、市民による芸術文化活動も活発に行われています。


▶「旧長井小学校第一校舎」(上)「文教の杜」(下)といった文化施設のほか、数多くの有形・無形文化財が大切に受け継がれている。

平成26年には、芸術文化の取り組みに「地域おこし協力隊」の制度をいち早く活用し、現在は歴代4人目の隊員が活動中です。令和2年には「長井市芸術文化ビジョン」を策定し、市民のシビックプライド(まちに対して市民がもつ自負や誇り)を育む重要な要素として、芸術文化を位置づけています。→長井市:芸術文化の取り組み(長井市ホームページへリンク)


▶長井には美術品以外にも、歴史的建造物・歴史資料など、これまでのまちの営みを象徴した資料や文化財が多くあり、それらを総合的に「芸術文化資源」と位置付けている。

「芸術文化に関する仕事」というと、多くの方は美術展やイベントの企画実施を思い浮かべるかもしれません。今回募集する仕事は、それに限らず「まちの芸術文化資源を活かし発信する」という軸のもと、活動の「可能性の幅が広い」ことが最大の特徴です。

歴代隊員の前職は、アーティスト、建築士、まちづくり関係者などさまざま。それぞれの視点から多様なアプローチで長井市の魅力を発信してきました。では具体的にどんな活動をしているのか?令和3年の春まで、実際に隊員として活動していた工藤さんに聞いてみました。


工藤さんは、埼玉県出身。東北芸術工科大学を卒業後、建築士としてまちづくり関連の企業に勤めていました。長井市移住のきっかけは、アーティストとして活動していた前任者から、市内に新たにつくるアートスペースの改装設計を頼まれたこと。何度か長井に足を運ぶうちに、自然な流れで協力隊になることを決めたそうです。

「最上川流域における長井の町場景観」が国の重要文化的景観に指定されたことを受け、最初のミッションは「重要文化的景観」の意味を市民に認知してもらうことでした。その後、建築士ならではの視点でまちに入り込み、さまざまな取り組みを実施しました。


▶重要文化的景観エリア内の空き家を使い、エリアの価値や空き家の活用法を提案する展示を開催。地域の冬のお祭りと合わせて実施し、商店街の一角にかつてあった灯りのある風景を立ち上がらせた。


▶木造の長井駅舎解体前に、建物への感謝と慰霊の思いを込めて「長井駅お別れイベント」を実施。専門家によるトーク、子どもたちによる駅舎スケッチなどの企画を通じ、人々の中に駅舎の記憶を刻んだ。

「市内を回り多くの人に話を聞く中で、皆このまちが好きなんだと分かりました。まちに対する誇りを大なり小なりもっていて、いいまちだなと感じました。街を歩きながら、このまちならではの魅力をひとつひとつ発見するのがおもしろかったですね。例えば都市では土地の境界線がはっきりしていて厳しいけど、長井は水路が緩衝帯の役割を果たしていたりするんです。」

3年間の任期を終えた現在は、建築士として活動しながら、重要文化的景観コーディネーターとして市のまちづくりにも関わる傍ら、置賜地域の協力隊ネットワーク構築にも取り組んでいます。

「長井の皆さんは親切で、よそ者に対してもオープンで優しくしてくださいますが、協力隊という肩書きがあったことでより動きやすかったです。任期中にいろいろな方と知り合いになれたことが、今の活動に繋がっています。」

任期後も本格的にその地域に根付き、キャリアを築いていきたいという方にとっては、肩書きを活かして活動できるというポイントは大きなメリットと言えるでしょう。


▶雪国山形の冬は、出勤前に夏より30分~1時間早く起きて雪かきをするのが一般的。「冬の1日のスケジュールに雪かきがあるのには、慣れるまで大変だった」と工藤さん。

暮らしや環境面ではどうだったのでしょうか?

市が住居をサポートしてくれたので、環境面ではとくに心配はありませんでした。埼玉では、天気のいい日に遠くに見えるのが山というイメージでしたが、長井は自然がすぐそばにあり、水が綺麗で食べ物も美味しい。そんな基本的なところに感動します。」

長井には「娯楽としての消費」ではなく「自分で楽しみを見つけて創り出すおもしろさ」があるという工藤さんの言葉に、「この仕事には、まさにそんな『日常に目を向ける感性』が必要」と海藤さんが続けます。


▶市職員の海藤さんも移住者のひとり

「それぞれの専門分野はあると思いますが、はじめから『これしかない』と範囲を狭めず、まずはまっさらな目でこのまちを見て、そこでおもしろいと思ったものを自分の事業に繋げて欲しいです。長井市にはまだまだ認知されていない文化資源がたくさんあります。そんなところにおもしろさや価値を見出して企画に繋げていくのが、この仕事の醍醐味だと思います。こんなことしてみたいという案があれば、是非いろいろと提案してください。」

歴代隊員の中には、情報発信のひとつの手段として自身がアーティスト・イン・レジデンスのように制作活動を通じ長井市の魅力を発信するという活動をした方もいたそう。
※アーティスト・イン・レジデンス…アーティストが一定期間ある土地に滞在し、常時とは異なる文化環境で作品制作やリサーチ活動を行うこと。(引用:美術手帖


▶元隊員の松崎綾子さんは、アーティストとして長井を発信。任期後はアートコレクティブ「アメフラシ」の一員として、長井を盛り上げている。

活動範囲は作品や建物の活用だけにはとどまりません。現在市内で活動している作家や多くの団体と連携し、まちの芸術文化の新たな動きを盛り上げていって欲しい、という期待も。

「年齢層としては、特に芸術に触れる機会が少ない若い世代に向けて活動してほしいです。また、新たに観光関係にもこの分野を活かしていこうという動きがあるので、外向けの目線も意識した事業を考えてもらえたら嬉しいですね。」


就業場所としてデスクは庁舎に用意されますが、時間をどう使うかは自分の事業次第。工藤さんの場合は、午前中は役所の中でデスクワークをこなし、午後からまちに出て関係者とコミュニケーションをとり企画を考えていったそう。また、規定の時間外であれば副業もOK

最後に聞いてみました。
ずばり、どんな人が向いていると思いますか?

「協力隊の活動はなにかを興していくのがメイン。ものを考えてそれを実行したり、自分の手で何かを作ったり、そういうことができる人なら楽しめるのではないでしょうか。」(工藤さん)

「住んでいる人があたりまえだと思っていることがすごくおもしろい、そういうことが長井にはたくさんあるので、小さなことでもおもしろがれる感性がある人や、さまざまな分野に興味関心を持てる人なら、きっと楽しく活動できると思います。」(海藤さん)

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地域に根付き、芸術文化に関する仕事に携わりたいという人にはぴったりの今回の求人。地方移住を検討している方で、かつ主体性のある方には、生活を担保しながらやりたいことに挑戦できる条件が揃っているのでとくにおすすめです。

春の長井ではさまざまなイベントが開催され、芸術文化分野でもワークショップやイベントなども予定されています。気になる方は、まずは現地に足を運んでみることからスタートしてみてはいかがでしょうか。
(文:高村陽子)

長井市ホームページで掲載中の募集要項はこちら

公開日:2022-03-30

しごとコンパス

コンパスとは?
  • コンパスとは

    PARASUKUでは、働く人と仕事(企業)の
    より良いマッチングを図るため、
    互いの仕事観を言語化した9つの要素を
    「コンパス」として定義。
    ワーカーは自身のコンパス、企業は仕事のコンパスを
    それぞれフラットに作成します。
  • 横軸は、時間軸。

  • 縦軸は、空間(関係)軸。

  • 四隅は、本質的な要素を補う品質的な要素。

  • 互いの仕事観を重ね合わせて、
    最適なしごとやワーカーを見つけよう。

しごとパラメーター

雇用形態地域おこし協力隊(任期は最長3年で年度ごとに更新)
勤務時間1日7時間で週5日(原則土日休み)
勤務地住所山形県長井市内
希望スキル小さなことも面白がれる感性、コミュニケーション力、展覧会・ものづくりの心得、まちづくりや歴史の知識
報酬月額156,077円
社会保険雇用・厚生年金・健康
手当期末手当、住居・車両支援
応募条件3大都市圏及び政令指定都市に在住の方、または地域おこし協力隊であった方(同一地域内における活動2年以上、かつ解職1年以内)、語学指導等を行う外国青年招致事業を終了した方(活動2年以上、かつ終了後1年以内)で、長井市に住民票を移すことのできる方
その他<選考フロー>
(1)第1次選考…書類選考を行います。
(2)第2次選考…1次選考合格者を対象に面接を行います。
(3)最終結果の報告…面接後10日以内に文書で通知します。