コラム #028
自分に合った働き方とは?パラレルワーク(複業)のスタイルをご紹介!
1つの仕事や職場にとらわれない新しい働き方として、近年注目を集めているパラレルワーク。パラレルワーカーと聞くと、副業に取り組んでいる方をイメージするのではないでしょうか?実は、収入を目的とした副業だけでなく、ボランティアや地域活動など、様々な取り組み方があるのです。
この記事では、パラレルワークの具体的なスタイルを解説した上で、実際に取り組んでいるワーカーの事例をご紹介します。ぜひ、最後までご覧ください。
パラレルワークに関する基本情報は、下記のコラムもチェックしてみてくださいね。
◎コラム#007 パラレルワークとは?メリットや注意点、始め方まで解説!
1.パラレルワークの活動スタイルの種類
パラレルワークには、具体的にどのようなスタイルがあるのでしょうか。この項では、パラレルワークの活動スタイルの種類と共に、それぞれのやりがいについて、実際のワーカーの声をご紹介します。
(1)副業・兼業・複業
パラレルワークの代表的なスタイルとして、副業や兼業、複業が挙げられます。収入アップのほか、スキルや人脈の獲得、充実感の向上などを目的に、複数の仕事を掛け持つスタイルです。
収入源を複数持つことで、業績の悪化や解雇など、自身が属する職場で起こりうるリスクにも対応できます。また、新たなスキルの習得やスキルアップが期待できるため、スキルを応用し、仕事の幅を広げることができます。
▼事例:大井洋平さん(会社員兼オンラインメインの複業)
上山市にある旅館にて人事として働きながら、副業としてコーチングを行う大井さん。主業・副業ともに組織の人づくりに関わっているからこそ、感じるメリットややりがいがあるようです。
「副業でクライアントと話すことで外と内のギャップに気付くことができ、常に新しい視点で自社を見ることができるんです。例えば、部下であってもまずはバックボーンをしっかりと聞くことの大事さを再認識したり、組織内で起こりがちなモチベーションの差に気付いたり、他業種の知見が増えて視野が広がるなど、副業を経験値にして自社にフィードバックできることがたくさんあります。」
「副業でクライアントとお話しをしていると、元気をもらえるんです。夢に向かって並走できる、一緒に成長できることがなによりのやりがいです。」
(2)プロボノ
社会人が本業の専門知識やスキル、経験を活かして行うプロボノ。一般的にNPOや地域団体などに所属し、期間限定のプロジェクトに取り組みます。無報酬での活動となりますが、本業以外の場で自身の価値を客観的に知ったり、スキルを磨いたりすることができます。
(3)ボランティア
ボランティアとは、社会貢献を目的とし、共感する人や団体などを自発的に支援する活動です。また、地域のゴミ拾いや掃除などの取り組みも、ボランティアに含まれます。非営利活動のため収入は得られませんが、特別な知識や経験、スキルがなくても取り組むことができます。そのため、ファーストステップとして始めやすい活動となります。
(4)趣味・ライフワーク
趣味やライフワークの延長線上で社会に貢献したり、新たなビジネスとして成長させたりするケースもあります。自身の好きなことのため、やりがいを感じやすく、培ったスキルを本業に活かせることも。
▼事例:半田和巳さん(会社員兼個人事業主)
山形市内の会社で営業職として働きながら、個人事業主(半田技研)としてレコーディングスタジオを営む半田和巳さん。高校生の頃から趣味として嗜んできた音楽を副業とした半田さんですが、主業・副業を通じて働く幸せを感じているとのことです。
「僕の場合は、完全に“好き”で個人事業としてやっていますので、効率を目指すよりもアーティストそれぞれと話をして、個性を引き出す音楽づくりをしようと心がけています。」
「(会社の)仕事でも半田技研でも、色んな人と出会い、お互いにセッションしてひたすらアウトプットをしていく。そういうところに働く幸せを感じています。」
(5)地域活動
地域活動とは、住民が主体となり、地域の課題解決に向けて取り組む活動です。地域に密着した活動だからこそ、住民とコミュニケーションを取る機会が得られ、地域内でつながりを構築することができます。普段、仕事では関わりのない方々と関係を築くことができるなど、人脈を広げることができます。
▼事例:相田隆行さん(パラレルキャリア公務員)
米沢市役所に勤務しながら、プライベートで積極的に地域活動に取り組む相田隆行さん。地域活動がきっかけで、自身の長所を磨いていくきっかけになったとのことです。
「さまざまな地域活動の場が、自分でも気づかなかった得意なことに気づくきっかけになったんです。『相田くんってこういう所ってすごいよね』『相田くんにしかできないよね』と認めてもらえる(必要とされる)ことで、それが自信に繋がり、自分自身の必殺技を認識し磨いていくきっかけになっていきました。」
2.パラレルワーカーの時間の使い方
また、パラレルワークに取り組む時間帯も、人それぞれです。この項では、パラレルワーカーの事例と共に、取り組むメリットをご紹介します。
(1)土日メインに副業
▼事例:井上瑞穂さん(土日メインの副業)
長井市にてフルタイムの会社員として働きながら、土日をメインにMCの仕事をしている井上さん。主業では柔軟に働く時間を調整できるため、自身に合った働き方ができているとのことです。
「子供たちが学校に行っている月~金はしっかり働きたいなと思っていたんです。だから、フルタイマーとして働けるのはありがたくて。」
「この職場(日本・アルカディア・ネットワーク株式会社)はすごく融通が利くので、ありがたいです。MC自体は土日がほとんどだけど、打ち合わせを平日の日中にやりたいと言われることもあるんです。ここは規定の時間勤務すれば、時間帯をずらしてもいいので助かります。」
(2)主業以外の時間で副業等に取り組む
▼事例:山川唯美さん(オンラインメインの複業)
会社員として働きながら、ママ向けオンラインコミュニティ「mama*jam」の代表を務めたり、合同会社エンターの屋号でイベントプロデュースを行うなど、幅広く活躍している山川さん。これまで築いてきたご縁により、自身に合う働き方を選択することができました。
「世の中にはチャンスがたくさんあるということに気づいたんです。定時まで会社という“箱”の中にいる働き方ではそれらを逃してしまうし、今の自分に合わないな、と。」
「BIH(会社)の仕事は、自宅でリモートワークが基本です。また、与えられたタスクを終えれば、残りの時間は自由。なので、私はその時間をエンターとmama*jamの業務に充てています。」
(3)季節に応じて仕事に取り組む
▼事例:高橋幸士さん(季節に応じて)
さくらんぼをメインとする果樹農家であり、プロスノーボーダーでもある高橋さん。どちらも自然を相手にする仕事ですが、時間をコントロールできることが自分に合っていると言います。
「ずっとプロスノーボーダーをやっていると、やっぱり自由じゃないですか。そこからは抜けられないかな。手伝いに行っていた農家さんたちも、今日用事があるので休みますと言うと、『いいよ、いいよ』という感じで。『今日午前中だけでお願いします』『いいよ、いいよ』っていう。」
「(自然に左右されることに対して)逆にそれが良いなと思います。自然のリズムが。たとえば、天気が良くてどうしても滑りに行きたい。じゃあ滑りに行く。今日は天気が悪いからこっちしよう、とか。冬になると、まわりの農家さんは『冬眠する』って言ってますが、自分はずっと天気予報見てるので、天気予報見てる率は高いでしょうね(笑)」
(4)週○日出社
▼事例:大垣敬寛さん(週3正社員)
米沢市内の企業(NCV)に週3日正社員として勤務しながら、学習塾の講師兼代表を務める大垣敬寛さん。今の働き方だからこそ、それぞれの仕事が互いにプラスの影響を生んでおり、自身に最適化されているとのことです。
「完全に自由でもストレスになってしまうと思うんですよ。僕の場合、NCVで月・水・金とある程度時間が固定されているというのは、ストレス的には良いですね。それをベースに予定を組めますし、とはいえNCVも完全に固定ではなく、調整しようと思えばできますし。」
「何故塾を始めたかというと、『こういうスキルを身につけていこう』『これは別の方面にも生かせるな』と想像して実行できる子を育てていきたいと思ったからなんです。だから自分も塾の方だけでなく、AIを勉強して実績を出していきたい。そういう意味でも、今の働き方は最適化されているのかなと思いますね。」
(5)働く時間を自由に組み立てる
▼事例:小野寺志保さん(パラレル個人事業主)
コスメの製造・販売をしながら、星読み(占星術)カウンセラーとしても活躍する小野寺志保さん。星読みを始めてから、家族との接し方について迷わなくなったとのことです。
「娘は家族との時間を大切にするタイプなので、夕方以降は仕事を入れないようにしています。時間の融通がきくっていいですよね。」
3.自分らしいキャリアを形成するために
パラレルワークのスタイルについて、ワーカーの事例と共にご紹介しました。主業や家庭などの事情により、パラレルワークに興味はあっても、始め方に悩んでいる方がいらっしゃると思います。納得のいくキャリアを形成するため、一歩を踏み出したいと考えている方は、まずは小さく、できることから始めてみてはいかがでしょうか。
PARASUKUでは、働き方やキャリア形成に関するご相談を受け付けております。
私たちと一緒に、自分らしいキャリアを模索してみましょう。
(文:柴崎桃香)